日本糖質学会

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会長からのメッセージ

会長就任のご挨拶

日本糖質学会会長
伊東 信(九州大学)
 
 本年度より日本糖質学会会長を拝命しました。浅学非才の身ではありますが、緊張感を持って本学会の発展に尽力する所存ですので、よろしくお願い申し上げます。
 ご存知かとは思いますが、学会の現況と運営の仕組みについて、簡単にご紹介します。本学会は1978年に設立された炭水化物研究会を前身とし、1989年に現在の学会組織に移行しました。1978年7月に大阪で行われた第1回糖質シンポジウムから本年8月の東京大会まで計34回の年会が開催されています。現在、会員数は1028名(名誉会員28名、顧問会員2名、永年会員37名、正会員718名、学生会員243名)、そのうち評議員は120名です。評議員は独立して研究室を主催している会員で、評議員からの推薦を受け、理事会、評議員会、総会で承認されます。評議員間の選挙により10名の理事(化学系5名、生物系5名)および2名の監事が選ばれます。また、理事の互選により会長と副会長が選ばれます。それぞれの任期は2年です。会長は化学系、生物系から交互に選ばれ重任はありませんが、理事、監事、評議員の重任は認められています。学会で取り扱う全ての事案は、年会時に開催される総会で決定されます。総会に至るまでの各事項は、年4回開催される理事会、年会時に行われる評議委員会で検討されます。そして、会計監査を含めた、学会運営の健全性は監事により監査されます。学会内には、受賞委員会、男女共同参画委員会、編集委員会(ニュースレター、HP担当)が設けられており、それぞれ理事が委員長を務めています。これ以外に理事会の中には、会計担当、TIGG(FCCA)担当などが設けられています。
 本学会を取り巻く環境はこの30年余りで大きく変化しました。本学会のように比較的小規模で専門性の高い学会は、その存在感と会員へのサービスの質が問われる時代になってきたと感じます。
 それでは、本学会の存在意義は何処に求めたら良いのでしょうか。糖質関連学会としては、本学会以外にも日本応用糖質学会、セルロース学会、キチン・キトサン学会などがあります。これらの学会と連携を深めていくことは重要ですが、本学会の強みと独自性をアピールすることが肝要です。本学会は、他の糖質関連学会と比較して最も学際的で広範囲な研究領域をカバーしており、糖質関連の2つの国際組織 International Carbohydrate Organization (ICO)とInternational Glycoconjugate Organization (IGO)の受け皿になっています。本学会員の多くは、糖質科学を土台として化学と生物学の多岐にわたる重要な課題に挑戦しています。また、医学、薬学、工学、農学という応用科学領域においてインパクトのある成果を出し、人びとのQOLの向上と産業の振興に寄与することを目指しています。さらに、糖質を専門としていない領域の研究者との連携を深めるなかで糖質科学の専門家集団としての存在感を示しています。これらの文脈で、本学会の社会的重要性は今後益々大きくなると思われます。
 さて、本学会員へのサービスの質を高めるにはどうしたら良いでしょうか。
糖質学会員であることの最大のメリット(権利)は、年会で研究成果を発表する機会を得ることだと思います。ここ数年の年会世話人会の努力によって年会登録システム、大会ホームページ、講演要旨集などの改善が進められてきました。また、一昨年の大阪大会(深瀬浩一代表世話人)、昨年の名古屋大会(古川鋼一代表世話人)での会員提案によるワークショップの開催、東京大会(西原祥子代表世話人)でのシンポジウムと一般講演のハイブリットセッションの企画など年会活性化のための様々な工夫が試みられています。学会としても年会開催の支援、活性化の後押しに取り組んで行きたいと思います。因みに、第35回年会は高知大学の本家孝一先生を世話人代表として、平成28年9月1日〜3日まで高知市文化プラザかるぽーとで開催される予定です。
 現在、TIGGが糖質学会のofficial journalと位置づけられています。TIGGの発行母体であるFCCAとの話し合いを進め、会員にもたらされるTIGGの恩恵を最大化するための努力も必要かと思います。
 学会の大きな役割の1つは、若手研究者の奨励、支援です。ここ数年の奨励賞は高いレベルでの競争になっており、優秀な若手の台頭が実感されます。評議員の先生におかれましては、ぜひ本学会の優秀な若手研究者の常勤ポストへの移行について可能な限りのお力添えをお願いできればと思います。また、ICS2010記念糖質科学基金(伊藤幸成代表)による若手研究者の国際学会参加支援も継続されています。
 今後も風通しの良い学会運営を目指したいと考えておりますので、忌憚ないご意見とともに変わらぬご支援をお願い致します。最後になりましたが、会員の皆様のご健勝と研究の益々のご発展をお祈り申し上げます。
2016年 1月

日本糖質学会会員の皆様へ 〜糖質サプリメントについて〜

 最近、糖鎖を主成分とする多種のサプリメントが病態の改善や健康の維持、増進に有効であるとして販売されております。その宣伝パンフレットには私達の関係する国内学会のプログラム ( 公開シンポジウム、糖鎖の特集記事など)などが利用され、あたかもこれらのサプリメントの効能が糖質研究者によって裏付けられているような誤解を与えるものもあります。

 私たちは、日本糖質学会の事業がこれらサプリメントの効能宣伝に誤った仕方で利用されるおそれがあり、糖鎖研究の今後の発展にとって好ましくない、と判断される場合には、警告を出すことも考えております。日本糖質学会の会員の皆様におかれましては、この業界への関与によって誤った宣伝に利用されぬよう、十分留意されますようお願いいたします。

 なお、サプリメントの医薬理作用については、その実証と科学的根拠の確定がこれからの重要な実行課題として待たれているという現状や、思わぬ副作用が生じることもありうるという可能性に鑑み、業界およびユーザーからの相談があった場合には、以上のことをふまえて慎重かつ的確に対処されますよう、お願い申し上げます。

                                           平成20 年6月11 日

 ご参考までに、米国糖質学会 (Society for Glycobiology)のアナウンスを付記いたします。

Glyconutrient Disclaimer

The Society for Glycobiology is a scholarly society devoted to furthering knowledge of the functions of sugar molecules in biology and medicine. As world leaders in academic glycobiology, the Society's members may receive requests for information about health benefits of nutritional supplements, including but not limited to so-called glyconutrients, glyconutritionals, or other similarly named products. The Society does not endorse use of these or other nutritional supplements, and is not associated with any manufacturer or supplier of "glyconutrients". The Society urges persons having questions regarding nutritional supplements to consult a physician before initiating use of any nutritional supplement claiming to enhance health or treat disease.